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マズローの欲求段階説/
アルダファーのERG理論/
グラッサーの選択理論

私たちの行動を駆り立てる欲求

マズローの欲求段階説(自己実理論)

アブラハム・ハロルド・マズロー

マズローの欲求段階説

マズローの欲求5段階説は、アブラハム・ハロルド・マズロー によって提唱された理論です。マズローはニューヨークで1908年生まれ、1970年に亡くなりました。

マズローの欲求5段階仮説(自己実理論)は、人間のもつ欲求はいかに示すような低次から高次にかけて5段階で定義しています。

①生理的欲求 ②安全欲求 ③所属と愛情欲求 ④自尊欲求 ⑤自己実現欲求

自己実現欲求はその最高段階に位置づけられ、これは、より低次の欲求が満たされて初めてその人にもたらされるものと考えられています。

つまり、人間の欲求は5つのステップで構成されており、欲求が満たされると、より次の階層の欲求が表れるとされるという理論になります。

また、高次の欲求が満たされないからといって低次の欲求をより満たそうとはせず、欲求の移り変わりが不可逆的だとしています。

5つの欲求

①生理的欲求

食物、水などの人間の生存にかかわる本能的欲求。

②安全欲求

安全ないし安定した状態を求め、危険を回避したいという欲求。

③所属と愛情欲求

集団や社会に所属、競合し、そこで他社との愛情や友情を充足したいという欲求であり、社会的欲求と訳されることもある。

④自尊欲求

他社から尊敬されたい、あるいは自分が他社より優れていると認識したいという欲求。

⑤自己実現欲求

自己の向上、あるいは自己の存在能力を実現したいという欲求

アルダファーのERG理論

クレイトン・アルダファー

前述のとおりマズローの欲求段階説では欲求の移り変わりが不可逆だとしていました。

その説に対し、アメリカの心理学者クレイトン・アルダファー(1940年9月1日-2015年10月30日)は、欲求とは同時に存在したり並行したりすることがありうると唱えました。

つまり、上位欲求と下位欲求の間の可逆的な関心の移行があるという理論です。

アルダファーのERG理論には3つの欲求が存在します。

①基本的な存在の欲求(Existence)

②人間関係に関わる関係の欲求(Relatedness)

③人間らしく生きたい成長の欲求(Growth)

この頭文字をとってERG理論といいます。

グラッサーの選択理論

ウイリアム・グラッサー博士
sauce:特定非営利活動法人 日本リアリティセラピー協会

5つの基本的欲求

最後に、アメリカの精神科医ウイリアム・グラッサー博士が1996年に提唱した選択理論(Choice Theory)です。

この理論は、精神科医として薬を使う精神医療に疑念を持っていたグラッサー博士が、患者の診療を重ねる中で確立したリアリティ・セラピーというカウンセリング手法です。

現在においては、この選択理論を応用し、教育やビジネスの場でも活用が広がっています。当社もこの選択理論をベースとした考えでサービスの提供を行っています。

ここで、マズローの欲求段階説やアルダファーのERG理論と並列してご紹介するのは、選択理論の中にも、私たちの行動を駆り立てる「5つの基本的欲求」と呼ばれるものが存在するからです。

選択理論でも、人はそれぞれ満たすべき欲求を持っているとし、5つの欲求に分類されます。また私たちの行動はこれらの欲求を満たすために選択されているという考え方です。

欲求が満たされれば「快適感情」を感じ、喜び、楽しさ、うれしさ、幸福感を感じます。

逆に欲求が満たされなければ「苦痛感情」を感じ、不安、焦り、イライラ、怒りを感じます。

また、特徴的なところは、5つの基本的欲求は、時代や年齢、性別を問わず誰しも持っており、一人ひとり欲求の強さが違うとされています。

なので、相手の欲求を満たすにしても、人それぞれ対応方法が変わるということです。

もしあなたが対人関係でうまくいっていない場合、自分が満たされていない欲求が何か?相手が満たされていない欲求は何か?を考え、それを満たす行動をとることです。

5つの基本的欲求

生存の欲求(健康 安定・安全 生殖)

食欲・睡眠欲・性欲などの欲求のことである。唯一の身体的な欲求であり、人間以外の他の動物も持っているものと考えられている。

愛と所属の欲求(愛 所属)

愛し愛されたい、誰かと一緒にいたい、グループで行動したいといった欲求である。力、自由、楽しみとともに精神的な欲求を構成する。

力の欲求(承認 達成 貢献 競争)

欲しいものを手に入れたい、注目を浴びたい、貢献したい、他人に勝ちたいといった欲求である。

自由の欲求(自分らしさ 変化 解放)

人に束縛されたくない、自分の思い通りにしたいといった欲求である。力の欲求、楽しみの欲求とともに精神的な欲求を構成する。

楽しみの欲求(ユーモア 好奇心 学習・成長 独創性)

好奇心や遊び、新たな知識への欲求である。

sauce:選択理論.jp