CI = ブランドを“つなぐ言語”

「企業らしさ」を内外に一貫して伝えるための仕組み

前回のおさらい

ブランディングとは経営そのもの──内と外をつなぐ、本質的ブランディング論

前回の記事では、「ブランディングとは経営そのもの」と題し、  
“インナー”と“アウター”をつなぐ本質的ブランディングについてご紹介しました。

※関連記事:
「No.1 ブランディング=経営
「No.2 CI=ブランドを“つなぐ言語”
「No.3 PVMV = 理念設計のフレームワーク
「No.4 ブランド戦略と事業戦略

CIとは?

CI=ブランドを“つなぐ言語”

ブランドの核心は、
「内と外」が共通の言語と世界観でつながっていること。

前回の記事では、そんな“内側(インナー)”と“外側(アウター)”のブランディングを両輪として動かす重要性をお伝えしました。

では、その両輪を一貫したメッセージでつなぐ軸は何か?
それが――
CI(コーポレートアイデンティティ)です。

志を一貫した言葉とビジュアルへ

コーポレートアイデンティティ(略称:CI)とは、

企業の文化や独自性を社内で再認識・再構築し、
それを統一された言葉やデザインとして社外に発信することで、
社会とブランドを共有し、存在価値を高めていく企業戦略の一つです。

また、CIは、MI(思想の統一)、BI(行動の統一)、VI(視覚の統一)の、3つのアイデンティティから成り立っています。
では、それぞれどんな内容か、確認していきましょう。

MI(思想の統一)とは?

企業の理念やビジョンを表すもの

MI(マインドアイデンティティー)とは、

企業の核となる理念やビジョンを示すものです。
企業が社会で果たす役割や将来のありたい姿を言語化し、「心」や「信念」として共有する領域です。

人に例えるなら“精神”や“信条”に当たり、企業の判断や行動の出発点になります。
経営方針・サービス開発・社員教育──あらゆる意思決定の軸となるため、CIの中でも最も重要な土台といえます。

BI(行動の統一)とは?

MIの実現に向けた行動指針

BI(ビヘイビアアイデンティティ)は、

MIで定めた理念やビジョンを、日々の行動へと落とし込む領域です。
社員一人ひとりが「どう考え、どう動くべきか」を示す、行動指針・クレド・信条などが該当します。

社員のふるまいや言葉づかい、意思決定の判断基準に“自社らしさ”が現れているかどうかが、企業ブランドに直結します。
迷ったときに立ち返る言葉を持ち、行動に一貫性があることが、企業への信頼を育みます。

VI(視覚の統一)とは?

企業の想いを一貫したイメージで伝えるもの

VI(ビジュアルアイデンティティ)は、

企業の考えや想いを「見た目」で伝える要素です。
ロゴ、カラー、フォント、名刺、Webデザイン、パッケージなどがこれにあたります。

特にロゴは、企業の理念や想いを象徴する“顔”となる存在。
企業のマインドに根ざしたビジュアルは、社員の意識を高め、組織の一体感を育みます。
社内外に「私たちはこういう会社です」と、視覚で語る重要な役割を担います。

これら3つの構成要素(MI・BI・VI)をもとに、CIを導入することでどのようなアウトプットが生まれるのか──  
次に、実際に設計・開発される内容をご紹介します。

CI導入によって生まれる“具体的な成果物”

実際に設計・開発される主なアウトプットとは?

CIの導入は抽象的な概念だけではありません。  
実際に「何をつくるのか?」を明確にすることで、理念は組織と社会の中で機能し始めます。

CIを導入することで、企業の「想い」「行動」「表現」が一本の軸でつながっていきます。
ここでは、CIの3つの構成要素(MI・BI・VI)それぞれにおいて、どのようなアウトプットが設計・開発されるのかをご紹介します。

CI導入による主な開発項目一覧

区分 目的 主な開発項目
MI
(Mind Identity)
思想の統一
企業の志や価値観を明確にし、全社で共有する言語基盤をつくる - 基本理念(PVMV)の策定
 └ Purpose(存在意義)
 └ Vision(目指す未来)
 └ Mission(使命・役割)
 └ Value(行動指針)
BI
(Behavior Identity)
行動の統一
理念に基づいた社員の行動を設計・定着させる - カルチャーデックの共創
- コンピテンシー評価設計
- 理念を共有するワークショップ設計
- 日常での理念実践の仕組み化(朝礼/1on1/表彰等)
VI
(Visual Identity)
視覚の統一
企業の想いやらしさを、外部に一貫して伝えるビジュアル設計 - ブランドメッセージの統一
- グランドデザインの設計(Web/SNS/動画/営業資料)
- ブランドガイドラインの作成(ロゴ・カラー・フォント・写真トーンなど)

※これらの開発項目はすべて当社で対応することが可能です。

まとめ

CIは、ブランドの“らしさ”を内と外に一貫して伝えるための設計図です。
言葉、行動、デザイン──すべてを一本の軸でつなぐための仕組みです。

その仕組みを支えるのは、企業の「志」です。
なぜ存在し、何を目指し、どう行動するのか。
その答えを言語化したのが、PVMV(Purpose / Vision / Mission / Value)です。

次回は、この「志の設計図」であるPVMVについて、具体的にご紹介します。

次の記事「PVMVとは?」

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「No.3 PVMV = 理念設計のフレームワーク
「No.4 ブランド戦略と事業戦略

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