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マクレガーのX理論・Y理論/
ハーズバーグの二要因論

マクレガーのX理論・Y理論

ダグラス・マクレガー

マクレガーのX理論・Y理論は、1950年代後半にアメリカの心理・経営学者ダグラス・マクレガーによって提唱された人間観・動機づけにかかわる2つの対立的な理論です。

マズローの欲求段階説をもとにしながら、「人間は生まれつき仕事が嫌いで、命令され、統制されないと仕事をしない。」とするX理論と、「人間は生まれながらに嫌いということはなく、自分が進んで身をゆだねた目標のためには、条件次第で責任を受け入れ、自ら進んで責任を取ろうとする」Y理論とがあります。

X理論

X理論の人間観に基づけば、人は命令と統制による管理が必要であるとしています。

Y理論

マズローの欲求段階説の低次の欲求を満たしている場合、仕事への意欲を高めるためには、Y理論の人間観に基づき高次の欲求を満たしていく必要があると述べています。

具体的対策

  • 目標管理制度の導入
  • 権限移譲
  • 職務拡大

ハーズバーグの二要因論

フレデリック・ハーズバーグ

二要因論

ハーズバーグの二要因論は、臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱したモチベーション理論の一つです。

ハーズバーグは、マクレガーが示した高次の欲求を満たすためには、職務に関連した動機づけが必要であることを実証研究により明確にしました。

この研究によって、職務に対して満足をもたらす要因(=動機付け要因)と、職務に対して不満(=衛生要因)をもたらす要因との間の違いが発見されました。

職務に対して満足をもたらす要因(=動機付け要因)

達成感、承認、責任、権限移譲、仕事そのもの 等

職務に対して不満(=衛生要因)

職場の作業環境(暑い、寒い、キレイ、汚い等)、労働条件、会社の方針、給与、人間関係 等

仕事にやりがいがあり、どんなに動機づけ要素があっても、人間関係が悪く労働環境が悪い職場では働けない。

こういった具合に、モチベーションを引き出すためには、動機づけだけでなく、衛生要因を満たす必要もあるということです。

具体的対策

  • 権限移譲
  • 職務充実

職務拡大と職務拡充

動機づけの具体的な方法として、職務の拡大や職務充実を行うことなどがあげられます。

職務拡大とは、普段の業務を新しく追加することで、任せることのできる業務の範囲を拡大していく方法です。

職務充実とは、普段の業務に加え、責任や権限の範囲を拡大して、仕事そのものを質的に充実させていく方法です。

元の状態

職務拡大

職務充実

私は、マクレガーのX理論・Y理論でも、ハーズバーグの動機づけ=衛星理論(二要因論)でも、仕事のやりがいだけではだめで、人間関係や職場環境も良くなければいけないと解釈しています。

そのためには、前回の記事で触れた選択理論の5つの基本的欲求である、「生存の欲求」「愛・所属の欲求」「力の欲求」「自由の欲求」「楽しみの欲求」のそれぞれをバランスよく満たしてあげることが重要だと考えています。

人それぞれ欲求の強さや欲求の満たし方が違うので、その人が何を大切にしていて、自身の欲求を満たすためにどのような行動をとっているのか。またその欲求を満たす関わりをどのように考えるのか。これが重要だと考えています。

あなたの会社はどのような環境を構築してスタッフの欲求を満たしていますか?それはモチベーションの維持や向上につながっていますか?

今一度考えてみてはいかがでしょうか?