戦略課題とはなにか?
環境分析で現在地を把握できたら、理想の未来とのギャップを洗い出していきます。
ここでは、このギャップを「問題」と呼び、このギャップを埋める取り組みを「課題」と呼びます。
例としては、
ギャップ(問題): 技術部門においてリーダー層が不足しているため人が育ちにくい
取り組み(課題): リーダーに充当するエンジニアの育成 / リーダー層の採用
のようなイメージです。
このギャップの洗い出しは、前述の環境分析のフレームワークを利用しながら洗い出していきます。
そして、戦略課題とは、この課題の中でも定めた期間の中で特に注力して取り組むべき課題を指します。
つまり理想の未来に対し、優先順位の高い今やらなければならない課題です。
課題の関係性を可視化する(戦略マップ)
戦略課題の導き方はいろいろとありますが、ある程度精査された課題の関係性を可視化していきます。
流れとしてはいたってシンプルで、理想の目的を実現するための課題をすべて列挙し、それぞれの取り組み期間を見積もって、各課題の前後関係(依存関係)に従って連結していくと、取り組み開始から目的実現までの間に複数の経路(課題の組み合わせ)が現れます。
このうち、経路内の課題の見積もられた取り組み期間の和が最も大きいところがクリティカルパスです。
ほかの経路をいくら短縮しても、最長であるクリティカルパス上の課題がすべて終わらなければ目的は達成しません。
このクリティカルパスの課題をいかに取り組むくかを検討しながら優先順位を決め、戦略課題を決定していきます。
右図では、A→C→D→Fの経路が最も長い期間を見積もられているます。このあたりを鑑みて優先順位や今期どこを取り組むのかを検討していきます。
戦略は測りごとである
何かで読んだ話ですが、経営とは測ること、「戦略=測る」といっても過言ではないと。
どういうことかというと、まず変えたいと思っていることを測ります。
例えば、業務の時間を効率化したい。その業務の時間を測ってみる。担当者ごとに、業務ごとに測ってみる。
すると、「業務効率化しよう!」と言ったわけでもなく、短縮されたそうです。
人は測られると、それに敏感になり、自律するそうです。
つまり、戦略も「いつまでに」がとても重要であり、全体の中でどの位置づけの戦略かを示すことで自律した組織に変わるかもしれません。
なので、戦略は測りごと、何事も測っていきましょう。